火山紹介

今からでも間に合う!10月・11月に紅葉が見頃を迎える日本の火山5選

今からでも間に合う!10月・11月に紅葉が見頃を迎える日本の火山5選

「紅葉を見に行きたいけれど、もう10月。見頃を逃してしまったかも……」

そんな方も、まだ大丈夫です!

日本は南北に長く、同じ山でも標高によって気温が違うため、紅葉の時期には大きな差があります。北海道や標高の高い山ではすでに紅葉のピークを過ぎていても、10月中旬から11月にかけて、これから見頃を迎える場所もあります。

そして、せっかく秋の山へ出かけるなら、紅葉だけでなく「火山」にも注目してみませんか?

噴火によって生まれた湖を囲む紅葉や、今も噴気を上げる山、わずか数十年前の噴火で誕生した山と秋の森。火山では、その土地がどのようにつくられてきたのかを感じながら紅葉を楽しめます。

今回は、10月中旬から11月に紅葉を楽しめる日本の火山を5か所紹介します。

※紅葉の進み方は、その年の気温や天候によって変わります。訪れる際は、現地の観光協会などが発信する最新の紅葉情報をご確認ください。また、この記事で紹介する場所はいずれも活火山です。火山活動や登山道、道路の規制についても最新情報をご確認ください。

1 磐梯山と裏磐梯 噴火が生んだ湖を彩る紅葉

福島県にそびえる標高1,816mの磐梯山。その北側に広がる裏磐梯は、10月中旬から下旬にかけて紅葉を楽しみたい人におすすめのエリアです。

裏磐梯観光協会では、2026年10月13日時点で西吾妻スカイバレーが見頃を迎えているほか、桧原湖や五色沼周辺などでも秋が進んでいます。五色沼周辺は例年10月下旬から11月上旬ごろまで紅葉を楽しめます。

そんな裏磐梯の景色には、磐梯山の噴火が深く関係しています。

1888年に磐梯山で水蒸気噴火が発生し、山の一部が大きく崩れました。大量の岩や土砂が山麓へ流れ下り、川をせき止めたことで、現在の桧原湖や五色沼をはじめとする多くの湖や沼が生まれました。

現在では美しい観光地として知られる湖沼群ですが、その景観の背景には火山災害の歴史があります。秋には湖の青や緑と、赤や黄色に染まった木々が重なり、磐梯山を望む場所もあります。

「どうしてここには、こんなにたくさんの湖があるんだろう?」

紅葉を見ながらそんな疑問を持ってみると、いつもの景色から火山の存在が見えてきます。

紅葉の目安:10月中旬〜11月上旬ごろ

2 那須岳 山頂から麓へ移っていく紅葉を楽しむ

栃木県北部に広がる那須火山群。その中でも、現在も活動を続けている火山が茶臼岳です。標高1,915mの茶臼岳では山頂付近に植物の少ない荒々しい山肌が広がり、現在も西側を中心に活発な噴気活動が続いています。

那須岳の紅葉というと9月下旬から10月上旬の山頂付近が有名ですが、10月中旬になったからといって、すべての紅葉が終わるわけではありません。標高の高い場所から始まった紅葉は、気温の低下とともに少しずつ山を下っていきます。

那須ロープウェイ周辺は10月上旬から中旬、駒止の滝や那須甲子(なすかし)道路周辺は10月中旬、さらに標高の低い那須温泉郷周辺では10月中旬から下旬ごろまで紅葉が楽しめます。

「那須岳の紅葉にはもう遅いかな?」と思ったときは、山頂だけでなく少し標高の低い場所にも目を向けてみましょう。

火山らしい茶臼岳の姿と紅葉を一緒に眺めたり、温泉と紅葉を組み合わせたりするのも、那須ならではの秋の楽しみ方です。

紅葉の目安:10月上旬〜10月下旬ごろ ※場所によって異なります

3 箱根山 火山活動が生んだ芦ノ湖と紅葉を眺める

10月下旬から11月に紅葉を楽しみたいなら、神奈川県の箱根も候補に入れてみてはいかがでしょうか。箱根は温泉地として有名ですが、実は大きなカルデラを持つ火山です。
カルデラとは、大きな噴火や火山体の陥没などによってできた、大きなくぼ地のこと。箱根の街や芦ノ湖、大涌谷なども、この火山地形の中にあります。

2026年10月6日時点では、元箱根周辺はまだ本格的な紅葉前。例年、元箱根周辺では11月上旬から中旬、強羅などでは11月中旬から下旬に紅葉の見頃を迎えるため、10月中旬から計画しても十分間に合います。

箱根で火山に注目しながら紅葉を見るなら、ぜひ知っておきたいのが芦ノ湖の成り立ちです。約3,100年前、神山で水蒸気爆発が起き、山の一部が大きく崩れました。その土砂が当時流れていた川をせき止め、上流側に水がたまったことで現在の芦ノ湖が生まれたと考えられています。

つまり、私たちが現在眺めている芦ノ湖の美しい風景そのものが、火山活動と深くつながっています。秋になると、湖畔の木々が赤や黄色に色づきます。天気が良ければ芦ノ湖越しに富士山を望める場所もあり、火山がつくった湖と紅葉を一緒に楽しめます。

大涌谷まで足を延ばせば、現在も立ち上る噴気を見ることができます。温泉、湖、噴気、そして紅葉。箱根の秋を歩いてみると、「ここは火山の中なんだ」ということを感じられるかもしれません。

紅葉の目安:10月下旬〜11月下旬ごろ ※場所によって異なります

4 雲仙岳 紅葉の海と平成新山を一緒に眺める

長崎県の島原半島中央部にそびえる雲仙岳も、これから本格的な紅葉シーズンを迎えます。

雲仙観光局によると、紅葉は例年10月下旬ごろに山頂付近から始まり、徐々に山全体へ広がって11月中旬ごろまで楽しめます。普賢岳や妙見岳一帯を埋め尽くすように木々が色づく様子は、「紅葉の海」とも表現されています。

雲仙で紅葉を見るなら、ぜひその向こうに見える山の形にも注目してみてください。特に存在感があるのが、標高1,483mの平成新山です。
平成新山は昔からこの姿で存在していた山ではありません。1990年11月に普賢岳で噴火が始まり、翌1991年には粘り気の強い溶岩が火口から押し出されて、溶岩ドームと呼ばれる盛り上がった地形がつくられました。その後も溶岩ドームは成長し、崩れることで火砕流が繰り返し発生しました。噴火活動の終息宣言があった1996年、成長した溶岩ドームは平成新山と名付けられました。仁田峠周辺から眺めると、赤や黄色に染まる妙見岳や普賢岳と、その奥にそびえる平成新山を見ることができます。

何百年、何千年もの時間をかけて育ってきた森の紅葉と、わずか30年ほど前の噴火活動によって形づくられた新しい山。同じ景色の中に、異なる時間を生きてきた自然が並んでいるのも、雲仙の紅葉の面白さです。

また、普賢岳周辺にはカエデ類をはじめとするさまざまな植物が生育しています。「普賢岳紅葉樹林」は国の天然記念物にも指定されています。
雲仙の紅葉を見るときは、「どの木が赤くなっているかな?」と植物を観察するだけでなく、「平成新山はどれだろう?」と山の形を観察してみるのもおすすめです。

紅葉の目安:10月下旬〜11月中旬ごろ

5 霧島山と大浪池 火口湖を囲む紅葉は11月が本番

「11月になってから紅葉を楽しみたい」という方におすすめしたいのが、宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島山です。
霧島山は一つの大きな山ではなく、韓国岳、新燃岳、高千穂峰、御鉢など、いくつもの火山が集まった火山群です。そのなかでも紅葉スポットとして紹介したいのが、鹿児島県側にある大浪池です。

大浪池は標高約1,240mに位置する火口湖です。火山活動によってできた火口に水がたまり、現在の湖がつくられました。秋になると、池を囲む木々が赤や黄色に色づきます。
鹿児島県の公式観光サイトでは、大浪池の例年の見頃を11月中旬としています。10月中旬の段階なら、まさにこれから紅葉シーズンを迎える場所です。

ただ紅葉を見るだけでなく、「この丸い湖は、どうやってできたんだろう?」と考えてみると、目の前の景色が火山によってつくられていることに気づきます。

なお、大浪池の紅葉シーズンは登山口周辺の駐車場が非常に混雑します。鹿児島県の観光サイトでも、満車の場合はえびの高原駐車場と霧島連山周遊バスの利用を案内しています。

霧島山では場所によって火山活動や立入規制の状況が異なるため、大浪池や韓国岳など行き先を決めたうえで、最新の火山情報や登山道情報を確認して出かけましょう。

紅葉の目安:11月中旬ごろ

紅葉を見ながら山の形にも注目してみよう

今回紹介した5か所を並べてみると、同じ「紅葉がきれいな火山」でも、景色はまったく違います。

磐梯山では、1888年の噴火によって生まれた湖沼群。
那須岳では、今も噴気を上げる茶臼岳。
箱根では、火山活動によって生まれた芦ノ湖。
雲仙岳では、1990年代の噴火活動によって形づくられた平成新山。
霧島山では、火口に水をたたえた大浪池。

赤や黄色に染まった木々の下には、それぞれ異なる火山の歴史が隠れています。今年の秋は紅葉を眺めながら、少しだけ山の形にも目を向けてみませんか?

「この山はどうやってできたんだろう?」
「どうしてここに湖があるんだろう?」
そんな疑問から、その土地の火山を知る旅が始まるかもしれません。

火山へ出かける前に最新情報を確認しよう

今回紹介した5か所はいずれも活火山です。

活火山だからといって、いつも危険で近づけないわけではありません。一方で、火山活動の状況は変化することがあり、それに合わせて登山道や道路の規制範囲が変更される場合があります。

出かける前には、気象庁の噴火警報・噴火警戒レベルに加え、自治体や観光協会が発信している道路・登山道の情報を確認しましょう。

また、10月・11月の山は麓より気温が低く、天候が急に変わることもあります。紅葉観光であっても、歩きやすい靴や防寒着を準備し、無理のない計画で秋の火山を楽しんでください。

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火山ママくらりん
火山と食べることを愛するライター・ジオガイド/2児の母/火山の魅力・恩恵と教育のヒントを紹介します