火山の恩恵

避暑地におすすめの火山7選|夏でも涼しく親子で学べる火山旅

夏の旅行先を考えるとき、「涼しい場所に行きたい」と思う方は多いのではないでしょうか。

実は、火山の中には、夏の避暑地として楽しめる場所がたくさんあります。標高の高い山、湖のある火山、高原や温泉地と組み合わせられる火山など、暑い季節にこそ訪れたい火山があります。

火山というと、熱い、噴火、危険というイメージがあるかもしれません。けれども火山は、涼しい高原、冷たい湧水、静かな湖、夏でも雪が残る山岳地帯など、夏休みの親子旅行にぴったりの魅力も持っています。

この記事では、夏の避暑地としておすすめしたい火山を7つ紹介します。あわせて、親子で学べるポイントや、自由研究につなげやすいテーマもまとめます。

夏の避暑地に火山がおすすめな理由

火山は、標高の高い場所にあったり、周辺に高原にあったりする場合が多いです。
そのため、夏でも涼しい空気を感じながら、火山ならではの景色を楽しむことができます。

また、火山の周辺には温泉や湧水、湖が多く見られます。
涼しさを感じながら、水や地形、火山の成り立ちを学べるのも大きな魅力です。

標高が高く、夏でも涼しい場所が多い

標高が高い場所では、平地より気温が低くなります。

乗鞍岳や立山のような高山では、夏でも涼しく感じられる日があり、高山植物や残雪の景色を楽しめることもあります。暑さを避けて自然を楽しみたい家族にとって、火山は魅力的な旅行先になります。

湖や湧水など「冷たい水」に出会える

火山は、熱いだけの場所ではありません。

山に降った雨や雪が地下にしみ込み、長い時間をかけて湧き出すことで、冷たい湧水や湖の景色を生み出します。磐梯山の五色沼や富士山麓の湧水などは、火山と水の関係を感じられる代表的な場所です。

温泉地と組み合わせやすい

火山の周辺には、温泉地が多くあります。

昼は高原や火山の景色を楽しみ、夜は温泉に入る。そんな旅ができるのも、火山のある地域ならではの魅力です。夏でも、山の涼しさと温泉の恵みを一緒に楽しめます。

避暑地におすすめの火山7選

ここからは、夏に訪れたい避暑地としておすすめの火山を紹介します。
北海道・東北・関東甲信越・中部地方・九州から、涼しさ、景色、学びやすさのバランスを考えて選びました。

十勝岳|北海道らしい雄大な火山景観を楽しめる避暑地

十勝岳は、北海道の大雪山国立公園にある活火山です。

夏の十勝岳周辺では、雄大な山並みや噴気、荒々しい火山の地形を眺めることができます。特に望岳台は、十勝岳の姿を間近に感じられるビュースポットです。

十勝岳の魅力は、北海道らしい広い空と、火山の迫力を一度に感じられることです。火山がつくった岩肌、山麓の温泉、高山植物など、夏休みの学びにもつながります。

また、十勝岳周辺には白金温泉美瑛エリアもあり、火山が生み出した景観と温泉、観光を組み合わせやすいのも魅力です。北海道の夏らしい涼しさの中で、火山の大きな力を体感できます。

自由研究にするなら、「噴煙はなぜ出るのか」「火山の近くに温泉があるのはなぜか」「火山の山肌にはどんな特徴があるのか」といったテーマにできます。

磐梯山|五色沼を歩いて涼しさを感じる火山

東北で避暑地としておすすめなのが、福島県の磐梯山です。

磐梯山の北側に広がる裏磐梯エリアには、五色沼をはじめとする湖沼群があります。木々の間を歩きながら、青や緑に見える沼をめぐる散策は、夏の暑さを忘れさせてくれます。

磐梯山は、1888年の噴火によって大きく姿を変えた火山です。水蒸気爆発による山体崩壊で岩なだれが起こり、川がせき止められたことで、桧原湖や五色沼など、多くの湖沼群が生まれました。

つまり、現在の裏磐梯の美しい水辺の景色は、火山活動によって生まれたものでもあります。火山災害が起きたあと、長い時間をかけて自然が回復し、今では観光地として多くの人に親しまれています。

自由研究にするなら、「噴火のあとに湖ができるのはなぜか」「五色沼の色が違って見えるのはなぜか」「火山災害のあと、自然はどのように回復するのか」といったテーマがよいでしょう。

浅間山|軽井沢と鬼押出し園をめぐる高原の火山

関東・甲信越エリアで避暑地としておすすめしたい火山が、浅間山です。

浅間山は、群馬県と長野県の境にある活火山です。周辺には、軽井沢や北軽井沢、嬬恋などの高原リゾート地があり、夏でも涼しく過ごしやすいエリアとして知られています。

浅間山の近くでぜひ訪れたいのが、群馬県側にある鬼押出し園です。ここは、江戸時代の1783年に起きた浅間山の大噴火によって流れ出た溶岩がつくった場所です。黒くごつごつした岩が広がる景色は、火山の力を間近に感じられる迫力があります。

軽井沢で涼しい森や街歩きを楽しみ、鬼押出し園で火山の地形を観察する。そんな組み合わせにすると、夏休みの旅行として楽しみながら、火山の学びにもつなげやすくなります。

浅間山は、火山の荒々しさと、避暑地リゾートの穏やかな雰囲気を一緒に味わえる火山です。火山がつくった大地の上に、観光地や暮らしが広がっていることを実感できます。

自由研究にするなら、「浅間山の噴火で鬼押出し園はどのようにできたのか」「溶岩が冷えて固まるとどんな地形になるのか」「なぜ浅間山の周辺は避暑地として人気があるのか」といったテーマがおすすめです。

富士山麓|湧水と森で涼しさを感じる日本一の火山

富士山は、日本を代表する火山です。

夏は富士登山のイメージが強いですが、避暑地として楽しむなら、山頂を目指すだけでなく、五合目や山麓の湧水、森、湖をめぐる旅もおすすめです。

富士山は、五合目まで車やバスでアクセスできるのも魅力です。登山をしなくても、標高の高い場所から富士山の大きさや、山麓に広がる景色を感じられます。

五合目は標高約2300mの高い場所にあるため、夏でも平地よりかなり涼しくなります。目安として、富士山五合目の8月の平均気温は15℃前後とされることがあります。風が吹くと体感温度はさらに下がるため、夏でも薄手の上着を持っていくと安心です。

また、富士山に降った雨や雪は、地下にしみ込み、長い時間をかけて山麓に湧き出します。忍野八海柿田川など、富士山の湧水と関係の深い場所では、冷たい水に触れながら、火山と水の関係を学ぶことができます。

富士山の周辺には、溶岩の上に育った森や、火山活動によってできた湖もあります。暑い夏でも、五合目の涼しさ、山麓の木陰、水辺を組み合わせれば、火山の大きな働きを感じる避暑旅になります。

自由研究にするなら、「富士山の五合目はなぜ涼しいのか」「富士山の水はどこから来るのか」「溶岩の上に森ができるのはなぜか」「富士山の形はなぜ美しい円すい形なのか」といったテーマがおすすめです。

乗鞍岳|標高2700m級の涼しい天空の火山

乗鞍岳は、中部地方で避暑地として特におすすめしたい火山です。

乗鞍岳の魅力は、標高の高い場所までアクセスしやすいことです。畳平周辺は標高2700m級の高山エリアで、平地とはまったく違う涼しさを感じられる場所です。

畳平周辺では、高山植物や火口湖、山岳景観を楽しめます。体力に合わせて短い散策をしたり、剣ヶ峰方面を目指したりすることもできます。

夏でも涼しい一方で、標高が高いため天気が変わりやすく、風が冷たく感じることもあります。訪れるときは、防寒着や雨具を準備しておくと安心です。

自由研究にするなら、「標高が高いと気温はどのくらい下がるのか」「火口湖とは何か」「高山植物はなぜ低い場所と違うのか」といったテーマにできます。

立山|夏でも雪と高山植物に出会える火山

立山は、夏の避暑地として人気の高い山岳エリアです。

立山黒部アルペンルート室堂周辺では、夏でも涼しい高山の空気を感じられます。季節によっては残雪が見られ、雪解けとともに高山植物が咲き始めます。

立山の魅力は、暑い季節に「雪のある山」を感じられることです。夏休みに訪れれば、平地の暑さとは違う自然環境を体験できます。

立山では、雪・水・花・火山地形を一緒に観察できます。山に降った雪がとけ、水となって川や池につながっていく様子を考えると、火山と水、山と暮らしの関係が見えてきます。

自由研究にするなら、「夏でも雪が残るのはなぜか」「雪解け水はどこへ流れていくのか」「高山植物はどのような環境で育つのか」といったテーマが考えられます。

雲仙岳|温泉地と高原の涼しさを楽しめる九州の火山

九州で避暑地としておすすめしたいのが、長崎県の雲仙岳です。

雲仙岳は、島原半島の中央にある火山群です。中腹には雲仙温泉があり、古くから温泉地として親しまれてきました。九州にありながら、山の涼しさと温泉地の雰囲気を同時に楽しめる場所です。

雲仙温泉を拠点に、仁田峠妙見岳普賢岳方面の景色を楽しむこともできます。夏の雲仙は、海沿いの暑さとは違う涼しい空気を感じられる点が魅力です。

また、雲仙岳は火山災害を学ぶ場所としても重要です。1990年代の雲仙普賢岳の噴火では、火砕流や土石流による大きな被害がありました。現在は、火山の恵みである温泉と、火山防災の学びを一緒に感じられる場所になっています。

自由研究にするなら、「火山の近くに温泉があるのはなぜか」「火砕流とは何か」「火山と温泉地の暮らしにはどんな関係があるのか」といったテーマがおすすめです。

テーマ別に選ぶなら

同じ避暑地の火山でも、楽しみ方は少しずつ違います。
ここでは、目的に合わせて選びやすいように、テーマ別に整理します。

とにかく涼しさを感じたいなら

涼しさを重視するなら、乗鞍岳・立山・浅間山がおすすめです。

乗鞍岳と立山は標高が高く、夏でも平地とは違う空気を感じられます。浅間山周辺には軽井沢や北軽井沢などの高原リゾート地があり、火山の景色と避暑地の雰囲気を一緒に楽しめます。

水辺を楽しみたいなら

水辺を楽しみたいなら、磐梯山・富士山麓・立山がおすすめです。

磐梯山の五色沼は噴火が生んだ湖沼群、富士山麓では湧水、立山では雪解け水を通して、火山と水の関係を学べます。

火山らしい景色を見たいなら

火山らしい荒々しい景色を見たいなら、十勝岳・浅間山・雲仙岳がおすすめです。

十勝岳では噴気や岩肌、浅間山周辺では鬼押出し園の溶岩地形、雲仙岳では火山群と温泉地の景観を楽しめます。

温泉も楽しみたいなら

温泉と組み合わせるなら、十勝岳・乗鞍岳・雲仙岳周辺が候補になります。

十勝岳の麓には白金温泉、乗鞍岳の麓には「すくなの湯」や平湯温泉、雲仙岳の麓には雲仙温泉や小浜温泉があります。

火山の熱が温泉を生み出し、その温泉が地域の観光や暮らしを支えています。親子で訪れるときは、火山の「熱」がどのように地域の恵みになっているのかを考えてみるのもおすすめです。

避暑地リゾートと組み合わせたいなら

避暑地リゾートと組み合わせたいなら、浅間山がおすすめです。

軽井沢や北軽井沢で涼しい森や街歩きを楽しみ、鬼押出し園で火山の地形を観察すれば、観光と学びを両立した夏休みの旅になります。

避暑地の火山へ行くときの注意点

火山の避暑地は魅力的ですが、山や火山ならではの注意点もあります。
安全に楽しむために、出発前と現地で確認しておきたいことをまとめます。

夏でも防寒着を持っていく

標高の高い場所では、夏でも気温が低くなることがあります。

特に、乗鞍岳や立山では、平地では暑くても、山の上では風が冷たく感じられることがあります。上着や雨具を持って行くと安心です。

火山情報を確認する

活火山を訪れるときは、最新の火山情報を確認しましょう。

観光地として親しまれている火山でも、活動状況によっては立入規制が行われることがあります。気象庁や自治体、観光協会などの情報を確認してから出かけると安心です。

気象庁噴火警報・予報

登山道や道路の開通状況を確認する

高山や火山地域では、道路や登山道が季節によって閉鎖されることがあります。

乗鞍岳や立山のような山岳エリアでは、バスやロープウェイ、登山道の状況を事前に確認しておきましょう。天候によって運休や通行止めになることもあります。

水辺や火口周辺に近づきすぎない

湖や火口、噴気地帯は美しい場所ですが、足元が不安定だったり、火山ガスが発生していたりする場合があります。

子どもと一緒に訪れるときは、必ず遊歩道や展望台など、安全に整備された場所から観察しましょう。

自由研究につなげるなら

避暑地として火山を訪れたら、感じたことや見た景色を自由研究にまとめることもできます。
旅行の写真やメモを使えば、夏休みの学びとして形にしやすくなります。

「なぜ火山は避暑地になるのか」を調べる

標高が高い場所ではなぜ涼しいのか、火山の周辺にはなぜ高原や湖が多いのかを調べると、理科の学びにつながります。

乗鞍岳や立山、浅間山周辺などを例に、標高、気温、地形を比べてみるのも面白いです。

「火山と水の関係」を調べる

火山と水の関係を調べるなら、五色沼、富士山麓の湧水、立山の雪解け水がおすすめです。

火山の噴火で湖ができたり、雨や雪が地下を通って湧水になったりすることを調べると、火山が水のある景観を生み出すことがわかります。

「火山と温泉の関係」を調べる

十勝岳や雲仙岳では、火山と温泉の関係を調べることができます。

火山の地下の熱が水を温め、温泉として地表に出てくることを学べば、火山の恵みが地域の観光や暮らしにどうつながっているのかも見えてきます。

「噴火でできた地形」を調べる

浅間山の鬼押出し園は、噴火でできた地形を学ぶのにぴったりの場所です。

溶岩が流れ冷えて固まり、現在の景色になったことを調べると、火山の力をより具体的に理解できます。

まとめ|夏の火山旅は、涼しさと学びを一緒に楽しめる

火山は、夏の避暑地としても魅力的な場所です。

十勝岳では北海道らしい雄大な火山景観を、磐梯山では五色沼などの涼しい水辺を楽しめます。浅間山では、軽井沢などの避暑地リゾートと、江戸時代の噴火で生まれた鬼押出し園を組み合わせて訪れることができます。

富士山麓では湧水や森を通して火山と水の関係を学べます。乗鞍岳や立山では、標高の高い場所ならではの涼しさや高山の自然を感じられます。雲仙岳では、九州にありながら高原の涼しさと温泉、火山防災の学びを一緒に体験できます。

火山というと「熱い場所」というイメージがあるかもしれません。けれども、実際には涼しい高原、冷たい水、静かな湖、夏でも雪を感じられる山など、夏にこそ訪れたい魅力がたくさんあります。

今年の夏は、避暑地として火山を訪れてみてはいかがでしょうか?
涼しさを楽しみながら、地球の動きや地域の暮らしについて親子で学べる旅になるはずです。

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火山ママくらりん
火山と食べることを愛するライター・ジオガイド/2児の母/火山の魅力・恩恵と教育のヒントを紹介します
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